01
木彫り作家
秋辺 日出男
Profile
阿寒湖出身で、高校を卒業後、父に木彫りを学び、4年後父が営んでいた店の裏口に自分の店「ヌカンノ」を開店。その後、お店を継ぎ現在の「デボの店」として経営をしながら、俳優業やアイヌ舞踊のプロデュースなども手がけている。
デボさんの作るコロポックルの特徴は「笑顔」。「フキの下に住む神様」のコロポックルはいたずら好きですが、アイヌが困ったときには助けてくれる存在。コロポックルが幸福を運び、みんなが笑顔になるようにと思いを込めて作っています。
02
木彫り作家
牛島 隆弘
Profile
長崎県出身。自衛隊に入隊し北海道に来たが、もともと好きだった木彫を本格的にやりたいと阿寒湖に移住。木彫りはほぼ独学でヒグマが中心だが、自分が好きな恐竜も彫っている。国立公園の間伐材を使うプロジェクトにも参加している。
恐竜が好きという牛島さんが作るのは、4億年前デボン紀後期の海洋生態系の頂点に立っていたと考えられている板皮魚類(顎を持つ魚類)のダンクレオステウス。恐竜好きの人はぜひ実物の迫力を確かめてください。
02
木彫り作家
岡田 実
Profile
京都府出身。北海道に憧れ、岩見沢の大学に進学した。その後、自然が豊かで木彫りが出来る環境として阿寒湖へ。10年前に独立し、アイヌ文様や好きな動物をモチーフに作品を作っている。
1枚ものの板に彫られたエゾシカやレプンカムイ(シャチ)にアイヌ文様を彫り込んだ壁掛けの時計。背景や時計の針の細工も細かく、目を引くデザインになっており、贈り物にもおすすめの作品です。
04
木彫り作家
森田 薫
Profile
屈斜路湖出身で、15歳の時、手に職を付けるため木彫りの修行を始めたが、18歳で本気で職人を目指した。「アイヌ・ネノアン・アイヌ(人間らしい人間)」を信条に作品作りを続けている。
アイヌの祭儀でカムイ(神)にお酒を捧げる時に使うイクパスイ。森田さんはアイヌ民族を象徴する様々なモチーフを立体的に彫刻したイクパスイを作っており、どの作品もストーリー性を感じさせます。
05
刺繍作家
西田 香代子
Profile
北見の端野町出身。阿寒湖で就職し、現在の店主であるご主人と結婚し、アイヌ刺繍と出合う。店の商品作りを手伝いながら、アイヌ文様を学び、昔の製法で着物を復元するなど、文化保護活動にも力を注いでいる。
「デザインするときにはストーリーを思い浮かべる」というアイヌ文様にはファンも多く、作品集も発売されているほど。ひと針ひと針縫われたその刺繍は驚くほど繊細で、見る人の心を捉えます。ぜひ実物をご覧いただきたい作品です。
06
木彫り作家
志富 康裕
Profile
1954年、アイヌコタンで最初に出来た店の3代目。祖父の代から続く木彫りを自分なりにアレンジし、オリジナルの作品を作っている。クマの木彫りにこだわり、作家別の作品を数多く取り揃えている。
細かく彫られたアイヌ文様の手鏡は魔除けになるブルーやグリーンに赤を合わせた鮮やかな色合いが特徴です。
07
木彫り作家
渡辺 澄夫
Profile
栃木県出身。何度か北海道を訪れるうちに木彫りに興味を持ち、アイヌコタンや津別町で修行し、1994年から仲間とともに阿寒湖畔の店「森の人」を始め、「ニタユンクル(アイヌ語で森の人)」は2016年にオープンした。
羽を広げたフクロウを彫るためには木の形を見極めるのが重要。大きな作品は木の太さにも影響を受けるためバランスを取るのが難しい。
08
木彫り作家
斉藤 政輝
Profile
秋田県出身。20歳の時に阿寒湖を訪れ、アイヌコタンで働きながら木彫り修行を始める。8年間修行した後、修行した店の支店があった現在の場所に自分の店をオープンし、オリジナル商品のデザインなどを手がけている。
アイヌ民族に伝わる伝統的な弦楽器「トンコリ」にアイヌ文様をデザインしたキーホルダーは、トンコリの形のお土産が少なかったことから斉藤さんが企画をしたもので、カラフルなカラーが目を引く作品です。
10
木彫り作家
日川 清
Profile
幼少期に阿寒湖温泉に移住。中学を卒業後、4年間木彫りの修行をし、独立して木彫り職人となる。長い間、クマの木彫りをしていたが、アイヌ文様を彫ったマキリやツムシ彫りを作るようになり、現在に至る。道外や海外のファンも多い。
日川さんの作品を買うためだけにアイヌコタンを訪れる人もいるというほど人気のツムシ彫りは1本の木からいくつものモチーフを輪でつないだように彫るアート作品です。幸運を呼ぶお守りとして持ってほしいと話していました。
10
刺繍作家
日川 靖子
Profile
津別町出身。結婚してアイヌコタンの日川民芸店を手伝うようになり、アイヌ刺繍を始める。家族や周りの人の作品から学び、オリジナルの文様を作るようになった。35年前に初めて自分で作った着物は今でも愛用しているという。
アイヌ文様にはひとつひとつ意味があり、それを組み合わせることで魔除けとなり、身に着ける人を守ってくれます。このマタンプシは頭を守る大切なもの。日川さんのカラフルな刺繍は華やかさもあり心を明るくしてくれる作品です。
11
刺繍作家
小林 慶子
Profile
広島県出身。北海道旅行がきっかけとなり、結婚を機にアイヌコタンへ移住。自ら刺繍作品を作る傍ら、文化継承にも尽力している。インパクトのあるカッコいい作品が作りたいという言葉通り、他にはない色遣いの作品を作っている。
アイヌ文様をカッコよく表現したいという思いで作られた作品はどれも魅力です。他にはない色遣いが特徴で、文様と色の組み合わせも多種多様なので、自分の好みに合うものを探すのも楽しみになりそうです。
12
刺繍作家
中川 祐子
Profile
道南の森町出身。東京で美容師をしていたが阿寒湖で木彫りをしていた兄の誘いで遊びに来たのがきっかけでご主人と出会い結婚。店を手伝いながら刺繍を学んだ。中川さんの作品にはヒーリング効果があると愛用しているファンもいる。
中川さんの作る着物の文様はルウンペと呼ばれるもので、紺色に帯状の白い布を折ったり曲げたりしながら道をつけるように文様を描く手の込んだもの。古くから儀式などの晴れ着として使われていたものです。
13
木彫り作家
原 良樹
Profile
奈良県出身。阿寒湖畔のホテルのアルバイトに来たのがきっかけで阿寒の自然と木彫りに惹かれ、修行を始める。店頭の作業台ではライフワークとして制作しているフクロウを目の前で彫り、観光客を喜ばせている。
外側が白く芯が茶色いエンジュの木の特徴を生かして作るフクロウはどれも愛らしい表情をしています。木の大きさによってフクロウの大きさを変えて作っているので、細いエンジュで作ったものは米粒大ほどの小さなものまであります。
14
刺繍作家
鰹屋 エリカ
Profile
阿寒湖生まれ。祖母と母も刺繍作家で、母に学びながら本格的に始めたのは19才から。アイヌ文化伝承にも力を入れ、アイヌ文様刺繍のほか、アイヌ舞踊やムックリの演奏などの指導にもあたっている。
生地と糸ともに独特な色遣いで作られる刺繍は、「刺繍する前に模様を描いていても、作り始めると針と糸が進むままに手を動かす」という言葉どおり、とても創造的かつ繊細な作品です。
15
木彫り作家
藤戸 康平
Profile
アイヌコタン出身。札幌の高校を卒業後、東京で勤めていたが、木彫り作家である父のお店を継ぐために阿寒湖に戻る。元々モノ作りに興味があり、自身で木彫りを始め、店のオリジナルグッズのデザインなども手がけている。
熊の家でしか手に入らない木彫作品やオリジナルデザインのステッカーやグラス、アイヌ文様入りのバンダナやソックスなどお土産にぴったりなグッズも豊富。地下には「藤戸アイヌ資料館」もあるのでぜひご覧ください。
16
木彫り・舞台演出家
床 州生
Profile
阿寒湖出身。札幌のデザイン学校を卒業後、東京で就職。25歳の時にアイヌコタンに戻り、アイヌ伝統文化を学ぶ。阿寒湖アイヌシアターイコロの舞台監督を務め、デジタルを融合した演目「ロストカムイ」「カムイルミナ」の演出も行う。
「イタ」とはアイヌ民族が使うお盆のこと。緻密なアイヌ文様が彫られ、芸術品として飾る人が多いですが、床さんは「日常で使えるようにうるし仕上げをしているので、実用品としてどんどん使ってほしい」と話しています。
17
木彫り作家
瀧口 健吾
Profile
阿寒湖出身。オーストラリア・アデレードの高校留学中にバードカービングに出会い、木彫りを始める。帰国後は酪農業をしていたが、2017年、父の死を機にお店を継ぎ、アイヌコタンで木彫作家として活動している。
普段はセレクトショップや企業との共同プロジェクトで作品を作ることが多いが、これは自分の感覚で思うままに作ったという作品。幾何学的な模様だが、ぬくもりを感じさせるカラーとデザインになっています。
17
画家
井上 綾子
Profile
広島県出身。美術大学で絵画を学ぶ。大学卒業後に北海道を回り、先代の瀧口政満さんの作品を見たことがきっかけでイチンゲのお店を訪れた。現在は瀧口健吾さんとお店を営みながら、阿寒湖アイヌシアターイコロでのアイヌ古式舞踊にも参加している。
阿寒の動物やアイヌの女性をモチーフに、プリントではなく、直接トートバッグに手描きした1点もの。デッサン風でありながらも、生き生きとした表情の動物のイラストは自分へのお土産にしたい作品です。
20
木彫り作家
平間 覚
Profile
茨城県出身。バイク旅行で北海道を訪れ、アイヌコタンに魅力を感じ、21歳で移住。アイヌの女性(メノコ)の横顔のレリーフに魅力を感じ、木彫りの修行を始める。細やかな彫りと独特の色遣いに定評がある。趣味は登山。
とても細やかな彫刻に驚かされるマキリ(小刀)。近くで見るとその文様の精密さに驚きます。昔のアイヌ文様をアレンジし、流れるような動きのある文様をデザインしているとのこと。ぜひ手に取って見て欲しい一品です。
22
木彫り作家
平良 秀晴
Profile
京都府出身。昔から美術が好きで、高校時代には電柱の木で自由の女神を彫ったことがあるという。北海道の木彫りに惹かれ、木彫りを学ぶためにアイヌコタンに移住。アイヌ文様を彫り始めたのは最近だが、その評価は高い。
「繊細な美しさ」という表現がぴったりな細い線や細かなウロコ彫りが特徴のマキリ。その美しさから女性からの評価も高い作品です。使用している木の種類や大きさも数種類あり、自分の好みのものを選ぶことができます。
22
木彫り作家
簗瀬 秀夫
Profile
東京都出身。北海道か沖縄に行きたいと思っていた時に阿寒湖でのアルバイト募集を見つけ、応募。木彫り作品の販売をしながら自分でも作れたらと思い、修行を始める。フクロウを中心に作品を作り続けている。
簗瀬さんのフクロウはどれも優しい表情。優しさを感じる気持ちを作品に描きたいと思っている。
19
アイヌ料理
郷右近 好古
Profile
岩手県出身。旅先で奥さん・富貴子さんと出会い結婚。富貴子さんの父が開いたお店ポロンノを奥さんと営む。お客さんからの要望もあり、軽食喫茶だったお店を食事メインにし、様々なアイヌ料理を提供している。
これまで受け継がれてきたアイヌ料理の概念と基本を踏襲しながら、現代に合う料理も提供していけたらと話す郷右近さん。自然をリスペクトすることを忘れずに新しいものも作っていきたいと話しています。
21
料理
松田 健治
Profile
白糠町出身。高校卒業後、札幌で働いていたが、両親の住む阿寒湖に来て、軽食喫茶やライダーハウスなどを経営。両親が木彫りの店を営んでいた現在の場所を建て直し、26年前に料理店を始める。
白糠町の漁師町で育ったことから店の名前を「ばんや(番屋)」にしたそうです。一番人気は柔らかく焼き上げた阿寒のエゾシカ肉にサラダや小鉢が付いた「エゾシカ肉定食」で、エゾシカ肉を初めて食べる人にも喜ばれているメニューです。
09
アイヌ文化アドバイザー
廣野 洋
Profile
釧路市で生まれ、母方の家族がいる阿寒湖に移り住む。高校卒業後、新得町で就職し、その後東京へ。都内のアイヌ料理店の建築を手伝ったことをきっかけに、アイヌ文化の継承に心を傾け、阿寒湖に戻る。古式舞踊の踊り手となった後、アイヌコタンやアイヌシアターの存続のため営業をしながらアイヌ文化継承のための活動をする。
2019年にアイヌ文化の普及と知的財産権の保護を目的とした阿寒アイヌコンサルンを設立、理事長を務めている。